Wanna be the Biggest Dreamer

主にポケモンの構築記事について綴るブログです。メジャーな型より地雷型、王道より邪道、メタられるよりメタる方が好きです。

択ゲーについて その2

 

はじめに

 お久しぶりです。やんこです。今回は、ポケモンのレーティングバトルをする上では避けては通れない「択ゲー」について着眼した記事第2弾です。前回の記事はおよそ半年前のものですが、あらゆるところで反響があり、非常に嬉しい限りでした。あの記事を機にTwitterをフォローしてくださった方も少なくはなく、私を代表とする記事の1つになったのではないかな、と思います。今回は、その択ゲーについて の記事の続きを綴りました。実践するにはかなり難しいことも書いていますが、概念自体は理解できると思うので最後まで読んでいただけたら嬉しいです。また、今回の記事は前回記事の続きとなる点も多いので、まだ読んだことないという人はもちろん、一度読んだことがあるという人も今一度前回の 択ゲーについて の記事に目を通すことをおススメします。下にURLを貼っておくので是非とも参照ください。

yanko-poke.hatenablog.com

 私は前回記事で、「できるだけ択の先延ばしにできる択を選ぶ事」、「確率的にこちらに有利な択を選ぶ事」、「相手からは見えない安定択を選択する事」を心掛けていると伝え、とりわけ3つ目に挙げた点が非常に大切だと強調しました。また、択ゲーは単なるじゃんけんだという言葉では全く代替できないものだということも、もっとも伝えたったことの1つです。今回は、これらの点をより深く掘り下げてみていきたいと思います。今述べたことが必ずしも常に正しいとは限らないということや相手からの見えない安定択の応用の仕方を解説出来たらな、と思います。よろしくお願いします。また、今回は技の選択のみならず、選出や初手の選び方等も択ゲーという言葉でまとめている部分もあります。皆さんの感覚とズレる部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。

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↑サムネ用 

有利構築/不利構築への立ち回り

 レート対戦では特殊な場合を除いて、必ず勝敗が決まります。多くのプレイヤーは、目指すところは違えど、勝つためにレート対戦しているはずです。では、その勝利の中で最も良い勝ち方(言葉の選び方が少し悪いかもしれません…)とは、どのような勝ち方でしょうか?ラス1ゴーリで回避や素早さを上げて3タテする勝ち方?相手のリザyの大文字を避けて勝つ勝ち方?それとも、バチバチに択ゲーを繰り返し一歩も間違えられない状況で得たギリギリの勝利??どれも勝ちという事実には変わりないですし、その1試合ではレートは貰えるでしょう。しかし、そのような勝ち方はもちろん安定はせず、幸運が重なって勝ち続けることはあれど、レートが安定的に伸びることはないでしょう。私の思う最も良い勝ち方とは、択ゲーをほとんど完全に排除して、安定択だけで勝てる勝ち方です。例えば初手にスカーフテテフを出して、サイキネを連打しているだけで勝てたとか、そういう勝ち方がレートを伸ばす上では重要だと思います。安定択だけで勝てればこの上ない、というのは多くのプレイヤーが共通して考えていることだと思います。前置きが長くなりましたが、この考えを利用する択の制し方がある、ということをお伝えしていこうと思います。

 まず前提条件として、「有利構築に対しては安定行動だけで勝ちたい」、「不利構築には安定行動を繰り返してもその後の展開が厳しいだけなので読み読みの行動を通していかなければならない」と多くのプレイヤーが考えていることを理解しましょう。かの有名なVTuberの夢咲楓さんも、動画にてカバマンダガルドを使っている際に、相手にするのは厳しい受けループに対して似たようなことを発言していました。動画では、キツイ受けループに対して相手は安定行動だけで勝てるからとかなり強気の一点読みを繰り返し、同速勝負や乱数勝負もくぐり抜け、最後には見事勝利を収めていました。しっかりと勝ちのルートが見えているのはもちろんの事、きちんと択を理解して最終日の2100帯であそこまで強気に動いて読み勝っていくのは彼女の強さの現れだと思います。これは私が文章で説明するよりも実際に動画を見てもらった方が分かりやすいと思うので、是非下のURLを参照ください。キツイ構築に対してもプレイング次第でどうにかなる場合も多い、というのも伝えたいことの1つですが、動画の通り、不利構築には読み読みの行動を通していき、また有利構築には安定行動を通すことが見て取れます。この事がまずは一般的な概念だという事を理解しましょう。また一方で、これは非常に読みやすいものであるため、有利構築側が意識すれば序盤に試合を一気に優位に運べるようになる可能性を秘めている、という点もお伝えしたいです。実践するのは難しいと思いますが。話は少し逸れますが、私は一点読みの行動をあまりとる必要のなく安定行動だけで勝てる構築こそが完成度の高い構築であり強い構築であると思います。

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 このような有利構築/不利構築への立ち回りとは、同じ構築を使い続けていく中で見えてくる場合もあります。この有利構築は自分の構築と当たった場合はこういう行動を取ってくる、やこのポケモンを大切にしてくる、またこの不利構築は自分の構築と当たった場合はこのような一点読みムーブをかましてくるので注意が必要、等々。このような考えは決してブログを読むだけで得られるものではなく、他人の配信や強者との通話を通して学べたり、また自身が対戦を続けていく中で次第に得られる知見であり、この部分がプレイヤーとしての強さの基盤となる点も大きいと思います。今述べたことが如実に表れていると感じた場面を1つ具体例として挙げます。これはかつてのライバロリさんの動画であったものです。見せ合い段階で、ライバロリさん側がf:id:yanko-poke:20190216023458p:plainf:id:yanko-poke:20190216024103p:plainf:id:yanko-poke:20190216023836p:plain f:id:yanko-poke:20190216023847p:plain  f:id:yanko-poke:20190216023858p:plain  f:id:yanko-poke:20190216023909p:plainの6匹で、相手側がf:id:yanko-poke:20190216024206p:plain f:id:yanko-poke:20190216024218p:plain f:id:yanko-poke:20190216024232p:plain f:id:yanko-poke:20190216024246p:plain f:id:yanko-poke:20190216024304p:plain  f:id:yanko-poke:20190216024318p:plainの6匹でした。動画で言っている通りバロリさん視点ではルカリオがかなり相手のパーティに刺さっており、マンダ以外はルカリオで倒せそうと判断し、ルカリオ、そしてマンダに圧力をかけれるランドとカビ、と選出していました。初手ではルカリオf:id:yanko-poke:20190216115056p:plainミミッキュf:id:yanko-poke:20190216115115p:plainが対面します。ミミッキュZを警戒してバロリさん側はランドロスf:id:yanko-poke:20190216115138p:plainに下げますが、相手側はどくどくを選択してZを残しつつサイクルに負荷をかけていきました。相手の方タイプ相性知らないんだけどぉ??ってバロリさんが言ってて面白かったです。ここで、初手のルカリオミミッキュ対面でどくどくを選択する事の意義について解説していこうと思います。相手の構築はバロリさんが動画中でおっしゃっている通り、めちゃくちゃルカリオの通りがいいです。初手の対面、もしルカリオが突っ張りミミッキュがZを撃った場合、その刺さっているルカリオの役割はミミッキュの皮をはがす事だけで終わってしまいます。おそらく多くのプレイヤーはそのような選択はせず、バロリさん同様にルカリオを大切にして物理受けに交代するでしょう。そこで刺さるのがどくどくという技。そもそもミミッキュのどくどくの採用率の低さも相まって、この読みはかなり通りやすいものだと思います。このムーブは経験則が無ければできないものだと思います。ルカリオが自分の構築に刺さっていることをしっかり理解し、それ故相手がルカリオを絶対に大切にしてくるということを頭でのみならず経験則的に理解してはじめてこのムーブが取れます。強気なストロングプレイの1つだと思ったので紹介させていただきました。

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相手の知識量に依存する択

 これは相手がこちらに構築の中身を知っているかどうかや、単純にダメ感等の知識がしっかり身に付いているかどうかで、択なのかそれとも知識の欠落のためにそもそも択にすらなっていないかが変わる、というものです。前回記事の「相手からは見えない安定行動の択を選ぶ」ことの一部でもあります。私はあまりしないのですが、「相手のレート帯によって動き方を変える」というのはよく聞く話ではあります。これもまた、この相手の知識量に依存する択に含められるでしょう。例を挙げた方が早いと思うので、さっそく具体例を3つほど紹介していきます。

 1つ目は相手がこちらの型を知っているかどうかでこちらの選択が変わってくるというものです。お互いHPは満タンで、こちらHB呑気弱保ギルガルドf:id:yanko-poke:20190216024621p:plainVS身代わりを所持していないメガラグラージf:id:yanko-poke:20190216024646p:plainの対面を想定してください。もし相手が呑気ガルドを想定しないならば、選択は地震一択ですので択もそもそも発生しないでしょう。一方、相手が呑気ガルドを想定するないしはその型を一点読みする場合は話が変わってきます。相手視点、地震は耐えられ、返しの弱保発動後のシャドボ+影うちでラグラージが落とされてしまうので、安易に地震は選択できず、シャドボで殴ってくる読みで弱保を発動させずに削りを入れられる滝登りか、キンシを挟んでくる読みで地震かの択になります。こちら視点では相手が呑気を想定しているかなどは分からず、択になっているのかそれとも択にすらなっていないかは分かりません。それを特定する指針は、相手のレート帯やTN、再戦かそうでないか等でしょう。その時々に応じて臨機応変に択を選ばなければなりません。

 2つ目の例は、択ゲーに含められるか少し怪しいかもしれませんが、選出についての話をしようと思います。ここに1つの知識があります。「H252振りハッサムf:id:yanko-poke:20190216024922p:plainf:id:yanko-poke:20190216024718p:plainに対して、特化マンムーf:id:yanko-poke:20190216024952p:plain地震がメガ後なら確定3発だが、一方でメガ前+メガ後に対しては中乱数で落ちる」という知識です。この知識を持っていれば、例えば初手のマンムーに対してメガ前ハッサムの後投げするのはかなり危険な行動であると結論付けられます。ここから何が言えるかというと、例えばマンムーの通りがかなりいい構築はマンムー入りに対して初手風船でないヒードラン、裏にハッサム、という選出はできないということです。すなわち、初手にはマンムーを削れるポケモン、あるいはハッサム自身が来る可能性が高いということです。私は自分の構築f:id:yanko-poke:20190216115215p:plain f:id:yanko-poke:20190216115227p:plain f:id:yanko-poke:20190216115232p:plain f:id:yanko-poke:20190216115243p:plain f:id:yanko-poke:20190216115248p:plain f:id:yanko-poke:20190216115301p:plainを使用している際、経験則として初手にハッサムが来やすいというのは分かっていたのですが、そのような事情があると知ったのは使い始めて1年ほどが経った時です。オフ会場で対戦相手の方に教えてもらいました。経験則という不明瞭なものを頼りにするのももちろん良いのですが、このように知識があれば自信をもって相手は初手にハッサムを置きやすい、故にハッサムに有利なポケモンから入る、と選出択を論知的に考えることができます。これもまた、相手及び自分がしっかりハッサムマンムーのダメ感を知ってこそ生まれる択です。

 3つ目の例は相手が使用しているポケモンに対して、またこちらの使用しているポケモンに対してきちんとした知識及びダメ感を持っているかどうかで選択が変わるものです。これは択ゲーというよりも詰め筋の話になってくるかもしれません。相手の場にステロを撒いている状態で、こちらの物理型だとわかっているルカリオf:id:yanko-poke:20190226001759p:plainに対してギャラドスf:id:yanko-poke:20190226001830p:plainが後投げされた対面で、こちらの裏にはHP赤ゲージのゴツメランドf:id:yanko-poke:20190226001922p:plain及び見せていない@1がいる場面を想定してください。ここで活用する知識は、「ステロの入ったギャラに対して、A1↓メガルカリオf:id:yanko-poke:20190226122214p:plainの非メガギャラf:id:yanko-poke:20190226122234p:plainに対するインファ+ゴツメダメージ+メガルカリオf:id:yanko-poke:20190226122257p:plainのメガギャラf:id:yanko-poke:20190226122315p:plainに対する神速によって落ちる」というものです。この知識はルカリオに精通している人にとっては当たり前のものです。が、そうでない人にとってはあまり馴染みのないものかもしれません。すなわちこの知識に寄り添うと、相手の竜舞を読むならばインファからのランド引きでゴツメダメージを与えることで神速で縛れ、地震を読むならばランドバックして透かしてAを下げつつ@1のポケモンを展開していくのが良いでしょう。相手視点からすると、ルカリオが神速かバレットパンチのいずれを持っているか分からないのに加えてルカリオはギャラよりも速く、耐久に回していたら素の地震を耐えるかもしれず、また@1が見えておらず、さらには飛行タイプの入ったギャラドスに対してAの下がったルカリオインファイトが結構入ることの知識がない可能性が少なくないこと全てが相まって、竜の舞を選択しやすいと思います。それ故こちらの正解択はインファイトです。が一方で、相手のTNがルカリオで2100のったことのある方であったり、仲が良くてよく自分の構築の動かし方などを教えて自分の構築を熟知している人と当たった時、またBO3等で全く同じ構築で再戦である時には特定の動かし方を変えるのは十分ありだと思います。

 

 

 「できるだけ択を先延ばしにする択を選ぶ事」と「相手からは見えない安定択を選ぶ事」を組み合わせる

 少し本来の択ゲーから脱線してしまったので、最後にとても重要な択ゲーに関する概念を書いていきたいと思います。それは、相手からは見えていない選択を取って、知らぬ間に択を伸ばしてこちら側に確率優位に進めようというものです。一般化すると、相手はこちらの情報が完全に見えていないがためにグーかチョキしか出せませんが、こちらは相手から見えていないグーの選択肢をとることができ、相手がチョキならばそのまま勝ちに直結しグーならばただ択が先延ばしになるだけ、というものです。すなわち、目の前で繰り広げられている勝つか負けるかの択から一歩身を引いて、自分のみが持つ情報を活用して勝ちか先延ばしかという択を押し付けるというものです。具体例を1つ挙げます。サイコフィールド下にて、こちらブレード状態のHP満タンのギルガルドf:id:yanko-poke:20190216025242p:plainVS相手ラス1化けの皮の残ったミミッキュf:id:yanko-poke:20190216025309p:plainで、こちらの裏にはまだ見せていない特殊ボーマンダf:id:yanko-poke:20190216025326p:plainがいる場面を想定してください。見かけ上の択は、ミミッキュが攻撃してくる読みのキングシールドか、剣舞を積んでくる読みのシャドーボールでしょう。裏の特殊マンダはHP満タンのミミッキュを一撃で落とす術は持っていませんし、1↑じゃれつく+影うちで落ちてしまうため、このギルガルドVSミミッキュのシャドボorキンシの50%の択を外すと負けに直結してしまいます。が、ここで一歩身を引いて考えてみます。ここが本当に択を仕掛けるタイミングなのか?と。相手は技構成が歪でない限り、目の前のギルガルドとの択を制する事に必死でシャドクロないしはゴーストZのゴースト技での攻撃か、剣舞かの2択しか選べません。そこで、マンダ後投げの選択について考えてみます。相手がゴースト技で攻撃してきた場合、Aが1段階下がったミミッキュと少し削れたマンダが対面します。ハイボで皮をはぎ、じゃれZを押してきた場合マンダは倒れてしまいますが、裏のガルドが絶対にミミッキュの技を耐えるので返しのシャドボで落として勝ち、それ以外の技の場合はマンダがもう1回動けてハイボを撃ち込めるので裏のガルドの影うちで縛って勝ちとなります。すなわち、ゴースト技に対するマンダ後投げは勝ちに直結します。一方、剣の舞を選択された場合、Aが1段階上昇したミミッキュとマンダが対面します。ハイボで皮をはぐと返しのじゃれつくでマンダは落とされてしまいますが、次にガルドとミミッキュが対面します。ここでまたシャドボorキンシの択が始まり、ここでの勝者が試合の勝者となります。すなわち、剣舞に対するマンダ後投げはガルドのキンシ択を最終的に迫る事につながります。まとめると、マンダ後投げの択を選ぶ事で、相手の択によって勝ちに直結するor再び択を迫れる ことになります。これにより、相手には見えない選択をとることで安定的にできるだけ択を先延ばしにしつつこちらの勝ちに直結する択を忍ばせておくことができるのです。

 おわりに

 ここまで読んでくださってありがとうございます。今回は、相手、そして他ならぬ自分に知識があるかないかで択ゲーの持ち込み方が変移するということに特に重きを置きました。自分に知識がないばかりに、優位に進められるはずの試合が50%勝負やそれ以下になってしまうことは本人が気づいていないだけでよくあることだと思います。ここで言う知識とは、この並びにはこの型のゲッコウガが多い、や今流行りのグロスはこの技を採用している、というような既成の固定的な事実ではありません。対戦を重ねて経験を積み、そうして得られた自分だけの新しい見え方です。知識は持っているだけでは何の役にも立ちません。応用して初めて光り輝くのです。ポケモンのレーティングバトルが対人戦である以上、対戦相手の知識量やポケモンへの信頼度等は変わってくるため誰に対しても常に正解となる択というのは存在しませんが、その指針となるようなことがこの記事を通して伝わっていたら嬉しいです。

 私がこうして色々な記事を書くのは、自己承認欲求を満たすためというのももちろんありますが、それ以上に多くの方にもっとポケモンについて深く考え、強くなってもらえる手助けがしたいからです。強くなってほしいので結果の出た私の構築は全てQRパを公開していますし、今回の記事の具体例も実際の自分の立ち回りに寄り添う部分が多いです。やはりレート対戦は勝てないと楽しくないですし、この記事を機に、一人でも多くの方が択の概念を今よりもっと深く理解し、択に強くなることを祈っています。

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